はなびらたけとは

はなびらたけってどんなキノコ?

はなびらたけとは?

はなびらたけは、自然の山中で はなかなか採れないので 「幻のきのこ」と呼ばれるくらい 珍重されています。

学名:Sparassis crispa
ハナビラタケ科ハナビラタケ属に属し、1科1属のきのこです。淡黄色~白色で、珊瑚状の形をしています。夏から秋にかけてモミやマツの針葉樹の枯れた樹木の根元に発生します。自然界での発生量は比較的少なく「幻のきのこ」と呼ばれています。

味よし・歯応えよし、食べて美味しいきのこ

味よし、歯ごたえよし、 食べて美味しい!

登山家の間では、美味しいと評判のはなびらたけ。
いろんな料理に利用でき、煮物や汁物などには、おダシとしても利用できます。茹でるとモチモチ・コリコリした食感が楽しめます。

hana_r7_c1

はなびらたけに含まれる成分

きのこに含まれる有効成分の代表的なものは、β-グルカンという物質です。この物質は、健康維持に役立つ成分として注目をあびており、はなびらたけは、きのこNo.1
の含有量を誇っています。また、グルタミン酸やアスパラギン酸などのアミノ酸も多く含まれています。β-グルカン以外の有効成分も見つかっており、健康に有効な素材です。

健康に役立つ成分が 注目を浴びています!

β-グルカン含有量の比較(100g中)

はなびらたけの機能性の研究

ハナビラタケの機能性の研究

はなびらたけの特長

ハナビラタケ科ハナビラタケ属ハナビラタケ(種)、1科1属2種のめずらしいキノコ

はなびらたけとは 白い葉牡丹状の大型のきのこで10~20cmくらいの大きさで、大きいものだと30cmを超すものもあり、枝は花びら状に薄く波を打っています。
分類学的には、ハナビラタケ科ハナビラタケ属ハナビラタケ(種)という、1科1属2種のめずらしいキノコです。

夏場のカラマツ林にいくと・・・

自然で採取したハナビラタケの多くは、薄い黄褐色の物が多いです。
夏に生息するきのこで、多くは20~25度前後で発生します。
光が当たらないものは、白色で花びら状の柄の分枝が多く、サンゴのように美しいものも見られます。
針葉樹の根本や切り株から生えてくることが多く、主に標高1000m以上の場所で、7~9月の夏場のカラマツ林に多く発生します。 

松ヤニにも強く、ゆっくり栄養を吸収しながら育ちます

針葉樹は広葉樹よりも古い時代からあるものです。 その針葉樹に特異的につくハナビラタケ。
ハナビラタケはかなり古い時代からあったきのこだと推測されています。
他のきのこが嫌がって近寄らないカラマツなどの強い松ヤニを物ともしない性質があります。
ハナビラタケは松ヤニに対する耐性が飛び抜けて強いようです。
他のきのこが入り込めないカラマツに入り込んで、ひとりでぬくぬくと栄養を吸収して育つのです。
つまり周りに敵がいないのでゆっくり栄養をとります。
それが、ハナビラタケの菌糸成長の遅さでもあります。

はなびらたけ栽培の難しさ

反面、カビの成長よりも遅いためわずかなカビにもやられてしまうという特長があります。
それが、人工栽培の難しさでもあるのです。
私が、はなびらたけ栽培を開始したのは、平成19年です。
初めて、人口栽培に成功したのは埼玉県熊谷農業高校(当時)の福島先生、1993年のことです。
今や、はなびらたけに関する事例がいくつも研究、発表されています。

 

はなびらたけの生産工程

(1)ハナビラタケの菌床

koutei03

はなびらたけは、他のきのこと同じようにオガ粉を使います。
長野県産のカラマツを一定の粒子に整えて製造したオガ粉を仕込みに使用しています。
年に何回か放射能検査も行っており、オガ粉に問題はありません。 仕入れたばかりのオガ粉は、カラマツの独特に香りがします。
エノキ、ぶなしめじなど他のきのこは、通常、製造したばかりのオガ粉を仕込みに使用しません。
2~3ヶ月ねかせて、リグニン等の木のアクを抜いてから仕込みに使用するのです。
エノキ、ぶなしめじ等は木材腐朽菌という仲間のきのこで、朽ちた木に菌糸が伸びてゆくのです。
はなびらたけは、生きているカラマツの根本にきのこが生えます。
ですから、製造したてのカラマツでも菌糸が伸びるのです。 カラマツのオガ粉にフスマ、大麦等の栄養剤を混ぜ水分が65~66%になるようミキサー内で加水し、十分に撹拌します。十分に加水撹拌ができますと次に菌床袋に充填する工程です。 

(2)ハナビラタケの仕込み

koutei02

はなびらたけ生産工程仕込みです。 ミキサーで十分に撹拌できた培地を菌床袋に充填します。

1.2㌔用菌床袋の専用詰め機です。 スピードも調整できる機械で、1時間に600菌床程度出来ます。
現在は、共同作業で久保田さんと二人で仕込み作業をしています。
充填した培地を丁寧に折りたたみコンテナに並べます。 9菌床づつコンテナに入れたものを殺菌台車に積み込みます。

(3)接種

培地を殺菌した後、接種室にて培地を冷まし接種作業です。
この工程がきのこ栽培で一番大事な工程です。
はなびらたけ栽培を開始した当初は、菌床にひとつひとつ手動で種菌を付けていました。
その為なのでしょうか? 雑菌のロス率が非常に高く、苦労の連続だったのです。
しかし接種機を購入してからというもの、劇的にロス率の低減を図ることが出来ました。
おかげ様で、今でも順調に接種作業をすることが出来活躍してくれています。
この接種機のすごいところ。
1 種菌を菌床面に均一にまいてくれる。
2 培地の開封、接種、シールの工程を自動で行ってくれる。
3 1時間に1000菌床程度の作業能力がある。
なんといっても、ロスが非常に少ないことこれはほんとに嬉しい!!

(4)はなびらたけの芽出し

IMG_1093昨日、栽培舎内の台車移動をしながら気付きがありました。
やけに、はなびらたけの芽出しの良いロットがあるのです。
はなびらたけを栽培し始めて9年目になります。
良いはなびらたけを作るのにまだまだ、試行錯誤が必要で栽培方法がベストなのか掴みきれていません。
ここ、数年芽出し不良の菌床があって、ロスとなっているものがあります。
どうやら、乾燥による乾きによって起こる症状なのではないかと推測していました。
そんな中芽出し良好な状態のロットがあり気になって野帳を調べてみるとそのロットは通常より水分率が高かったのです。
水分が多ければ良い!というだけの単純な理由ではないと思いますが一つの必要条件であろうかと思われました。
意図して水分を多くしたのではなく、たまたま多くなってしまった。
思わぬところにヒントも隠されてるものです。
”常識を疑う” 最近自分自身の中でちょっと意識している言葉です。
普段常識と思われていることを、ちょっと目線や考え方を変えるだけで違った発想となり結果がついてくるかもしれません。 もっと、良いはなびらたけを作るのだと心新たにしました。

(5)育っています

koutei05

公開日:   最終更新日:2015/06/21

PAGE TOP